人を良くすると書いて「食」、同じ釜の飯を食うとは、苦楽を分かち合った親しい間柄のたとえ。
食事をする大事な場所がダイニング。いつから食事をするだけの場所ができたのでしょうか?
それまでは、居間(リビング)であり客間であり、食卓であり、勉強部屋であり、寝室に変化する便利な部屋。そこにあるのは卓袱台(ちゃぶだい)というポータブルなジャパニーズ家具。食卓、ゲーム台、ステージ、勉強机、ちゃぶだい返し(気持ちの表現)、変化自在な日本的な編集術。おもてなしをする空間から、人が集まる空間に、そして二人の愛を育む空間へと、それがすべて同じ場所なんて凄い発想だと思いませんか。この源流はまさに縄文式住居。
ワンルームリビング、リビング内階段、新しいライフスタイル?いえいえ、縄文時代から車座になって食を共にするスタイル、何も変わりないですね。
欧米様式は目的別空間設計である。いずれの部屋も使用目的が名称。エントランス、リビング、ダイニング、マスターベッドルーム。日本は洋室、和室。
欧米への憧れだけで空間設計するよりも私たち日本人の文化や思想を大事にしてもよいのではないでしょうか。
ところで、家族で同じ釜の飯を食べていますか?まさか家族より会社の同僚、先輩、上司との会食の方が多い?まさかね。