セキスイハイム東四国

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住まいのコラム

ガソリン代高騰と施工費 |2023.10.01

 総合経済対策として激変緩和措置のガソリン代補助金があっても、180円台のガソリン代である。ガソリンスタンドでの満タン給油も躊躇ってしまう。延長して10月には175円台にするとされているが。いずれにしても税金が使われているわけで、先送りしているだけで、結局は違う形でこの負担分はいずれ支払うことになる。
 ではいつ終わるのだろうか。このまま延長を繰り返していけば、雪だるま式にこのツケはさらに大きくなるのである。

 この補助金、ガソリン価格を抑制し短期的には家計簿の負担軽減につながる一方で、脱炭素社会に逆行しているとも考えられる。ガソリンが高いからこそ、今まさに電気自動車へのシフトを加速して、中長期的に温暖化対策とともに新しい時代に移行すべきだとも思う。こんなに消費者心理を動かすような社会背景はそうはやってこないから、千載一遇のチャンスを逸してはいないだろうか。

 この影響は、流通や製造の単価を上げ、ますます物価高につながる懸念がある。この10月には食品4,533品目が値上げの予定のようだ。平均値上率が15%であるから、スーパーでの買い物も、つい手が止まってしまう。

 建設業ではどうだろうか。部品調達コストが上がり、職人さんの移動費も上がる。さらに10月からのインボイス制度により、建設下請けの免税事業者が課税事業者になると手取り収入が減る可能性がある。かといって非課税業者と取引を継続すると、その納税額を元請けが負担することになるから、発注額を減額すれば下請法・独占禁止法に抵触しかねない。

 適格請求書や電子帳簿保存法で経理業務量が増えコストがかかる。煩雑になるのでやる気を失い廃業の選択をする一人親方が増えれば職人不足となる。経験や技能を持った腕のいい職人さんほどこの道を選ぶとなると、今後誰に住宅を施工してもらうか。
 先送りされていた時間外労働の上限規制や割増賃金の引き上げなどは、2024年問題とされ建設業で適用される。とたんに納期の遅延が発生する可能性がある。その間に資材高騰や住宅ローン金利が上昇してしまうリスクもあり得る。

 2024年はたくさんの課題を持った年になるであろう。人やエネルギーに依存しない家づくりが求められる新しい価値観の時代の幕開けかもしれない。