建築は一見男性的のように見えるが、ラメゾン、ラ・カーサとフランス語の名詞にはすべて性別があり、住宅は女性名詞なのである。子宮の中に包まれたように暮らしたいからでしょうか。建売住宅など見学するときには女性的視点や子供やペットの目線で見学してはいかがでしょうか。 例えば、間仕切りの少ない間取りや回遊型同線であれば、子供は楽しく走りまわるのではないでしょうか。子供が元気に遊べるおうちは笑顔があふれ楽しいマイホームである。これは子供だけでなく掃除機をかける際やお掃除ロボットも行きどまりがなく、一筆書きで掃除ができるから作業効率が格段に良い。時間短縮で、共働き世帯にも助かる。タイムパフォーマンスの価値観が大事な若者にも良い。
歩いて建売の中を見学するだけでなく、時に座ってみると、子供の目線の高さに危険な突起物は無いかの確認もできるし、死角の確認もできる。親御さんの視覚の中に子供がいれば見守られて遊ぶことができる。家事導線を平面図でみるより、もっとリアリティーがあり、突然目の前に足が現れぶつかるなんてことも避けられる。座った視線の高さで、窓の外を見ると通行人と目があったり、車の中の人と目があったりしたらばつが悪いだけでなく、見られているようで落ち着いて生活できない。庭の木がちょうどよい高さにあれば景色も良いし、木陰にもなり、鳥の来訪で癒されたりもする。
照明の光源が直接に目に入ったりしないかの確認も大事だ。これは子供やペットの目線で確認しないと見落としがちになる。明かりが直接目に入り、不快だけでなく、一瞬視界が悪くなれば事故につながりかねない、トンネルの出口と同じだ。 横に長い窓は日本的で景色を絵画のように見ることができる。雪見障子はまさに座って上下の枠の中から庭を見るので雪を愛でることができる装置だ。縦長の窓は星や空を見るのに最適だ。砂漠の民が星をみて進むべき道を瞬時に判断しなければ、死につながりかねないから欧米の窓は縦長になったともいわれる。 多少緊張した非日常的な中での建売住宅の見学で、座ることで心が落ちつき日常的な判断や想像力を働かすこともできるだろう。 自分の前の高さでの見学だけでなく、目の高さを変えた見学をしたら、普段見えないものがより見えてくるのではないでしょうか。